11:腸を温める
胃腸は冷えに弱い臓器ですから、IBSの人は胃腸を温めることが大切です。
胃腸を温めるためにはどのようなことをするといいと思いますか?薬膳も取り入れながらお話したいと思います。
腹巻など外側から冷やさないようにするのもいいと思いますが、それ以上に気をつけたいのは飲み物、食べ物の温度です。冷たいビール(またはジュース)を一缶飲むということは、裸で仰向けになって寝たお腹のところに冷蔵庫から取り出したばかりのビール缶を置き、それが体温と同じになるまで、そこに乗っけて置くのと同じようなことです。
胃腸にはあまり自信のない皆さんがやっていいこととは思えませんよね。
身近に冷蔵庫、自動販売機、コンビニがあるため、私達は冷たいものを飲んだり食べたりすることに慣れすぎてしまいました。
ためしに、一週間、体温より低い温度のものは口にしないようにしてみるといいでしょう。冷蔵庫から出したばかりのものはすべてNGということになります。これまで、どれだけ胃腸を冷やしてきたか気付くと思います。
刺身、生野菜のサラダなども身体を冷やしますし、また、食べ物は、温度とは別に身体を冷やす性質をもつ食材があります。夏野菜、夏の果物、トロピカルフルーツは身体を冷やすものが多いといえます。
トマト、ナス、冬瓜、なし、きゅうり、スイカ、バナナ、キウイ、グレープフルーツ、柿などは身体を冷やすことで知られています。
飲み物ではウーロン茶、緑茶は冷やす傾向があります。この食材の性質というのはお茶を温めても基本的には変わりません。
朝起きて最初に飲む一杯は冷たいものはいけません。便秘には冷たい水や牛乳をコップ一杯飲むといい、などといいますがIBSの便秘には向きません。腸を冷やし働きをますます悪化させかねません。
また、コーヒー、紅茶、緑茶はカフェインが腸を刺激しますので、飲むのであれば白湯を試してみてください。アーユルヴェーダ(インドの伝統哲学)では、白湯は不要な毒素を洗い出し、あたため、血の巡りをよくする飲み物とされています。
熱湯ではなく一度沸騰させたお湯を40度~50度に冷ましてから飲むのですが、体だけではなく気持ちも温まります。
IBS【過敏性腸症候群】を克服する
13のヒント
